【札幌の水彩色鉛筆画家】 ～イラストレーター鈴木周作～

　朝から生憎の空模様。
　曇天よりはむしろ思いっきり降ってもらったほうが絵になりそうな気もします。
　とりあえず、今日は駅舎や電車の中の情景を中心に狙ってみることにします。


　いよいよ明日で福井を離れます。
　今更送っても自分の方が先に札幌に着いてしまうかも知れませんが、せっかくなので現地から郵送することにしました。
　初日に買って福井から送った名古屋限定・手羽先味の「ばかうけ」以来、この旅二度目のカミサン宛のお土産です。


　勝山では今日も地元の方に案内して頂くことになってしまいました…。
　何だか申し訳ない気もしますが、度々のご厚意に感謝するばかりです。
　今日は恐竜発掘で有名になった北谷の更に奥のほうの小さな集落まで連れて行って頂きました。


　この風景を眺めていたら、なぜか9年ほど前に訪れたオーストリア・チロル州の山奥の集落を思い出しました。
　ちなみに彼地では恐竜の化石ではありませんが、5,300年前の人間の冷凍ミイラが発見されたといいます。
　福井は日本のオーストリア…と、常々妙な持論を展開している私ですが、この集落を訪れてますますその想いが強くなりました（笑）。


　夜には今回訪福のメインイベント、福井市内のホテルで催された「えちぜん鉄道開業10周年記念懇親会」に参加させて頂きました。
　どんな雰囲気のパーティーなのかも分からぬまま、せっかく招待して頂いたのだからと喜んで出掛けてみたら周囲は自治体の首長さんなど錚々たる面々…。
　しかもフォーマルなスーツ姿ばかりの中にあって普段着ジャケットに恐竜ネクタイはさすがに場違いだったかと反省しきりですが、それでも顔なじみの社員さん達が、他の招待客の方々への感謝の笑顔とは明らかに違う、「おぃおぃ、本当に札幌から来てくれたよ！？」とでも言いたげな表情で笑って迎えて下さったのには嬉しくなりました。
　

　で、帰り際に参加者全員に配られた記念品がこちら。
　下戸で遠来、しかもカレンダーの作者でもある私にとってはいささか微妙なセレクトですが…（笑）
　ともあれ、こういう場面に携わらせて頂けたのは本当に光栄なことです。
　ちなみに日本酒セットはさすがに重いので、着替えをクッション材代わりに梱包して宅配便で札幌に送ってしまうことにしました。

　「余所者ならではの視点で…」などと言うのは何だか思い上がりのような気がします。
　敢えて私が魅力を伝えようとするまでもなく、この鉄道の素晴らしさは地域の方々のほうがずっとよくご存知のはず。
　ならば私の方が学ばせて頂くつもりで、これからも真摯に、謙虚に取り組んでいかねばと思っています。
　でもこの数日間、大勢の社員さんや地域の方々と色々なお話をさせて頂いて、何となく、今までよりももう一歩近いところに立たせて頂けるようになったのかな？と、ほんの少しだけ手応えのようなものも感じられるようになった今回の節目の福井滞在でした。


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