宮の森日記●鹿児島~札幌
鹿児島を離れる前に、西郷さんにだけはご挨拶してきました。
軍服姿で、イヌもいなくて、上野とはちょっと雰囲気が違いますね。
この滞在で何より嬉しかったのは、昭和30年代製造の旧型車両の走る姿に出会えたことでした。
子供の頃、学習図鑑で見た「かごしまのろめんでんしゃ」は、紛れもなくこの色、この形でした。
南国らしい鮮やかな配色に大きな窓。
他都市の電車とは一線を画すその風貌は、同じく図鑑で見て覚えた札幌市電の流麗なヨーロピアンスタイルと共に、子供心になぜか強烈に刷り込まれたものです。
あの頃、憧れだった「九州行きの寝台特急」はとっくの昔に消滅してしまいましたが、その寝台特急の終着地だった鹿児島の路面電車たちに、この歳になってようやく会うことが叶いました。
それも絵描きとして、絵のお仕事の題材として向き合うことになろうとは、夢にも思わなかったことです。
どういう形であれ、今度の作品の中にはこの電車を描き入れようと思っています。
ありがとう鹿児島!
羽田で乗り継いで札幌に帰ります。
東京湾の上空からは富士山が見えていました。
新千歳空港から大急ぎで札幌へ。
実は今日が札幌市電の復刻塗装車243号車のラストランでした。
関係者の方々からお誘い頂いていた、最終便の貸切運行には結局乗車できませんでしたが、電車事業所前まで駆けつけて、最後の入庫の瞬間だけはどうにか見届けることができました。
札幌の243号車も、鹿児島のあの旧型車両たちとほぼ同世代でしょうか?
日本最南端の路面電車と、最北端の路面電車を一日のうちに股にかけた、色々な意味で忘れられない想い出の日になりました。
ともかく無事のラストラン、お疲れ様でした。
クラウドファンディングによる復刻塗装を実現させた関係各位のご尽力と、数多の支援者の皆様の多大なるお力添えに、改めて敬意を表します。
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