宮の森日記●真逆の発想

イラストレーター鈴木周作

2015年06月24日 23:55


 たまたま書店で手に取った美術雑誌に、私も愛用している色鉛筆のメーカーの方のコメントが載っていました。
 曰く、初心者は少ない色数から混色するよりも、思った色がすぐ手に取れるよう、沢山の色数を揃えておいた方が良いとの事。
 「なるほど、そういう考え方もあるか!」と、ちょっと感心してしまいました。

 私の場合は全く逆。
 例えば、似たような「赤」が5本6本あったとしても、どれを選んだら良いのか却って迷ってしまう…。
 ならば色数は最低限の12色に絞って、混色や、筆圧の強弱で自在に表現できるよう指先で覚え込んでしまおうという発想です。
 こういうのは、どちらが正解・不正解と一概に言えるものではないから面白いですよね。

 物凄く大きな話をしてしまうなら…「言論の自由」というのは己の主張がまかり通ることではなくて、異なる主張を認める覚悟なんだと思います。
 そういう意味では、一言異論を呈された途端、やれ弾圧だ!自由の侵害だ!と騒ぎ立てるのは、やっぱり何か違うような気がします。
 異説に触れた時ほど、あくまで謙虚に、柔軟に…でも己の価値観にもしっかりと自信をもって臨める人間でありたいと、つくづく思っているところです。


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