【札幌の水彩色鉛筆画家】 ~イラストレーター鈴木周作~ › 宮の森日記〜日々の出来事〜 › 宮の森日記●機転と配慮
2017年05月30日
宮の森日記●機転と配慮
「お客様、リクライニングをお使いですか?」
「いや…」
「背もたれが倒れているようですので、戻して頂けますか?」
先日飛行機に乗った時、すぐ前の席のお客さんとCAさんとのやりとりに思わず唸ってしまいました。
勿論、離着陸の時には背もたれを戻すのがルールです。
でも、いきなり「背もたれを戻して下さい!」と言ってしまっては、公衆の前で乗客を咎め、恥をかかせることになってしまいます。
もしかしたら、気付かぬうちに肘がリクライニングのボタンに触れてしまったのかも知れませんし、あるいは先客が倒したままになっていた可能性も無いとは言い切れません。
なので、ここはあくまで「注意する」のではなく「お願いする」…。
最初に一言添えることで、角を立てず、あくまで乗客を立てる表現に変えてしまったCAさんの機転と配慮に、私も大切なことを気付かされた気がしました。
例えば「こだわりの喫茶店」みたいなお店に入ってみると、コーヒー豆や茶葉の蘊蓄を得意げに語る一方、客の無知を平然とあざけるような店主の姿勢にガッカリすることが時々あります。
大切なのは、技術や知識、経験を誇ることではなく、あくまで相手を気持ちよくさせること。
それは私のような仕事でも、全く同じことなんだと思います。
文章を書く時の言葉の選び方、あるいは取材対応、お仕事相手との接し方…。
更に言えば、そういう積み重ねや日々の心の持ちようは、きっと絵の中にも滲んでしまうものですから、普段から己の振る舞いには重々気を付けないといけませんね。
----おしらせ----
【作品掲載】季刊『スロウ』2017春号5/25より発売!>>詳細はこちら
Posted by イラストレーター鈴木周作 at 23:55
│宮の森日記〜日々の出来事〜